住宅ローンの歴史について

住宅ローンの歴史について

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
新年度を迎え環境が変わる事も多く、お忙しくお過ごしのことと思います。

さて、2023年度の首都圏の新築マンション1戸当たりの平均価格が過去最高の7,566万円となり、東京23区では1億464万円に達し、年度として初の1億円を超えたというニュースがありました。このマンション価格高騰を受け、夫婦で借りるペアローンの利用が増加傾向になっており、今や住宅ローンなしで購入するのが難しくなっています。

この住宅ローンという仕組みはそもそもいつから始まっているのか、皆さんご存じでしょうか。
今回は、住宅ローンの歴史について少しお話ししたいと思います。

住宅ローンの歴史は古く、誕生は今から約100年前の明治時代のことです。当時は日清戦争が終結し、戦争に勝利した日本の経済が上向いている時で、一般市民にとって住宅購入意欲も高まっていたようですが現金での購入は難しく、高利貸しからお金を借りるものの、返済が滞る人が多く社会問題となっていたようです。そこで、現在のみずほ銀行の創設者である安田善次郎氏が「東京建物」を創設し、この会社で割賦販売を開始したのが住宅ローンの最初と言われております。

その後、昭和20年(1945年)に第二次世界大戦が終結すると、戦後の焼け野原の中で公的住宅ローン会社が昭和25年(1950年)に産声を上げます。それが、政府系金融機関の住宅金融公庫(現在の独立行政法人住宅金融支援機構)です。

当時の金融機関はリスクが大きい事から、住宅ローンには本格的に参入はしておらず、住宅ローンを借りるなら、住宅金融公庫というのが常識的でした。

さらに、東京五輪が開催された昭和39年(1964年)前後から、政府系の金融機関である住宅金融公庫と民間の銀行・金融機関ローンがしのぎを削る時代が到来します。融資を受ける人の収入や勤務先により「金利に差をつける」ことが次第に行われるようになり、職業や貯蓄などによって差が生まれる「優遇金利」という言葉が広まり、各銀行・金融機関ごとに住宅ローンに様々な特色が表れるようになりました。

また、顧客が返済不能になった時に代わりに返済してくれる保証会社が登場し、ローン名義人が死亡した場合に死亡保険で相殺する生命保険制度(団体信用生命)などが誕生した事でリスクヘッジできるようになり、各々の不動産会社が金融機関と提携していき今のように広まっていったようです。

余談ですが、私がこの不動産業界に入った頃(今から30数年前)は、現在のような「優遇金利」というものは無く、公庫、年金、銀行、生命保険、ノンバンク系ローン等があり、多くの人は5%~10%の頭金を入れて、残りを公庫、年金、銀行と数社からの併せ借りで住宅ローンを組むというのが主流でした。
借入金利は公庫で5%台、銀行ローンで変動金利8%台くらいだったように記憶しています
が、今ではほとんどの銀行が住宅ローンに参入しており、独自の優遇金利で顧客獲得競争をしています。

今年の3月19日には日銀によるマイナス金利の解除がされ、およそ17年ぶりの利上げにより住宅ローン金利の影響が気になっている方もいらっしゃるかと思います。
住宅ローンの選択肢が多い今、ご自身に適したローンを組んでくださればと願っております。

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  1. koronaka shook

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